
節分というと鬼のお面を付けた家族の誰かが、豆をまかれて退治
されるという一連の行事を思い浮かべます。意味を深く理解しないまま
その頃になると豆を投げるという、毎年の繰り返しのように思います。
節分について深く知ることができれば一層、節分という行事が楽しく
待ち遠しいものになるかもしれません。
節分はいつあるの?
節分は毎年2月3日です。しかしこれは1985年から2024年までのことです。
1984年までは2月4日でしたし、2021年からは2月2日になります。
節分が一定しないことで、節分っていつ?と困惑してしまいますね。
そもそも、節分というのは季節の分かれ目を言います。ですからなにも
2月3日だけが節分ではありません。通常豆まきをする節分が立春前日で
他にも立夏・立秋・立冬というふうに、節分は全部で4つ存在することに
なります。現代においては立春前日に豆まきなどをして、盛大に節分行事を
執り行うようになっているということです。
この節分は1年を24の季節で分けた、24節気からなります。しかし1年は
365日なので24等分にしっかり分けることができません。昔は現代のように
太陽暦を使用せずに月を用いて、その満ち欠けで季節を分けていたために
ズレが生じてしまうのです。まだしばらくは、節分は立春の前日の2月3日の
ままです。
節分の由来は?
節分の由来を知っておくと節分への理解が深まりますね。節分は立春の前日
です。すなわち、現代で言うところの大晦日にあたります。そして立春が
お正月ということになります。中国では現在でも旧正月を盛大に祝います。
旧暦の大晦日にあたる節分に、平安時代では陰陽師を中心に追儺(ついな)と
言われる厄払いをしました。平安時代の宮中は、中国から渡ってきた占いを
駆使し政治を行っていたのです。その政治の一つに厄払いがあります。1年を
通して、こべりついた厄難をここで払い、新年を迎えるという禊のような事を
したのです。この風習は最初は宮中のみのものでしたが、室町時代になると
悪鬼を追討する行事へと変貌し、庶民にまで行き渡るようになりました。
節分の時に投げる豆は、中国から伝来したもので魔滅という言葉から語呂を
一緒にする豆を悪鬼に投げて追い出すという説や、京都の鞍馬山に鬼が出没
した際に、毘沙門天のお告げによって豆を投げた事から始まったという説も
あります。鞍馬山には天狗というイメージが強いので、鬼と聞くと意外な感じ
がしますね。
節分のイベントってどんなものがあるの?
節分には神社寺院によって、多くの豆まきイベントが開催されます。有名な
神社や寺院で、毎年芸能人や力士などが豆まきをするのをテレビで見たことが
ある人も多いのではないでしょうか。由緒正しい節分のイベントと言えば
京都の吉田寺が有名です。鬼は通常鬼門と呼ばれる方位から入ると言われています。
京都の表鬼門に吉田寺があることから、室町時代から続く、追儺式が行われます。
また同じく京都の八坂神社においては、舞妓さんが豆まきをして鬼を追い出す、ということをしています。東京では浅草寺で豆まきが行われますが、鬼はいない
という慣習から「福は内」しか言わない事になっています。
また、落語家や芸能人が多く参加しますので、節分のイベントとしても賑わいます。千葉県の成田山新勝寺
においても「福は内」しか言いません。毎年NHK大河ドラマの主演の役者や力士が豆をまくので、非常に盛り上がります。
まとめ
毎年なんとなく節分をしないまま過ごしていた人や、詳しいことは分からないけれど取り敢えず豆まきをしていた、という人も節分が平安時代から伝わる厄除けの大祭であることを知れば、今年はやらなくてはと思えてきたのではないでしょうか。
厄を払い、鬼を追い出して新しい節目を迎えたいものですね。